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概要 |
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セイヨウオトギリソウは非常に古くから知られているハーブの一つです。ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリカに広く分布しており、開けた森林、やぶ、土手の草地、乾いた野原などに黄色い花を付ける植物です。
古くは、外傷、火傷などの湿布に使われていましたが、近代になってこの植物に精神を安定させる効果があることが解りました。それ以来、この植物に含まれている有効成分の研究が行われるようになり、それが「ハイペリシン」という物質であると推測されています。
現代社会は、「ストレス社会」といっても過言ではありません。このストレスにより引き起こされる精神的な疾病は様々ですが、最も身近なものは「そううつ病」であると言えるでしょう。これまで「うつ」状態を直す医薬品は、幾つか発見されていますが、そのどれも副作用などの問題点が多く、敬遠されがちです。また、「うつ」自体、病気と見なさない方も多く、そのような方が精神病治療薬を受け付けることはないでしょう。セイヨウオトギリソウは、そのような方にも安心して食べていただける、自然なハーブと言えます。
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有効成分 |
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ハイペリシン(ヒペリシン、Hypericin)
現代では「うつ病」の研究が進み、「うつ病」患者の脳内では健常者よりも「セロトニン」や「ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)」が減少すると報告されています。この脳内物質は、神経を興奮させる効果があるのですが、ある一定時間で分解されてしまうので、興奮は徐々におさまっていきます。「うつ病」ではこれらの物質の働きが低いため、興奮度が低くなり、ふさぎ込みなどの特有な状態が現れます。
セイヨウオトギリソウエキスに含まれるハイペリシンは、この興奮を引き起こす「セロトニン」「ノルアドレナリン」の分解速度を若干抑え、脳内の「セロトニン」「ノルアドレナリン」の濃度を上げることでうつ症状を抑えると考えられています。この分解は、モノアミンノキシダーゼ(略称MAO)という酵素によって行われます。ハイペリシンはこの酵素の作用を阻害すると考えられています。これは、抗うつ薬と同じ効果なのです。しかし、化学的に作られる抗うつ薬「プロザック」などの薬品に比べ、その効果は穏やかですので「天然のプロザック」とも呼ばれています。
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製法 |
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セイヨウオトギリソウを収穫する
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乾燥後、粉砕する
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粉末をエタノールで抽出する
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粗上澄み液を減圧条件下で濃縮する
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乾燥する
↓
粉砕し、粉末状にする
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安全性 |
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大量摂取により、光感作(光に過敏になる)が報告されていますが、通常摂取量の30倍以上も食べなければ起こりませんので、安全と言えます。また、亜急性毒性、変異原生は報告されていません。
ただし、空腹時の過剰摂取は胃の調子を悪くする事もあります。
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性状と特性 |
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独特な香と渋味・苦味を持つ、吸湿性の高い黒い粉末
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一日の摂取量の目安 |
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当エキス末で、100〜300mg程度(ハイペリシン量で0.2〜1mg)
胃の負担を抑えるため、空腹時の摂取よりも食後の摂取をお勧めします。
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セントジョーンズウォートのいろいろ |
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分類:オトギリソウ属、オトギリソウ科
学名:Hypericum perforatum
英名:St. John's wort
セイヨウオトギリソウは、ヨーロッパからアジア西部原産の多年草で、原産地以外でも北アメリカやオーストラリアにも広く野生化しています。全草の高さは10〜20cm、茎は堅く、卵形の小さい葉を持ち、夏にはレモンの香がする黄色い小さな花をたくさん付けます。
英名のSt. John's Wort(セント・ジョーンズ・ウォート)は、キリストに洗礼を施した聖ヨハネ(St.
John)が追っ手から逃げる際、この黄色い花があちこちに咲き、追っ手の目を眩ましたという故事にちなんで付けられています。このように、キリスト教徒には非常に縁の深いハーブで、実際に、十字軍の兵士が打ち身や切り傷の治療薬、または魔除けのハーブとして携帯していったという記述もあります。さらに古くは、ギリシャ・ローマ時代から知られており、Dioscorides、Galenによって記されています。
このハーブは、古来より外傷の治療薬として使われる以外にも、民間的に火傷の治療、利尿、月経促進、抗マラリア薬、神経痛、去痰薬など、幅広い効能が知られていました。しかし、現在のように「うつ」症状の改善薬として注目されるようになったのは最近のことです。
セイヨウオトギリソウの有効成分の研究は19世紀初旬から行われていましたが、化学的構造まで明らかになったのは20世紀の半ばになってからです。臨床的な研究はドイツを中心にして行われ、現在、ドイツでは最も頻繁に処方される抗うつ薬の一つとして認められています。健康食品先進国のアメリカでは、1995年にメディアによって取り上げられたことから火がつき、最近では常に消費ハーブの上位にランキングされています。
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セントジョーンズウォートエキスパウダー製品規格書 |
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製品名 |
セントジョンズワート 0.3% |
植物名 |
Hypericum perforatum |
製品形状 |
標準化エキス粉末 |
規格値 |
ハイペリシン 0.3%以上 |
分析方法 |
UV-Vis |
性状
外観
色
臭気
風味
植物使用部分
抽出割合
溶媒
賦型剤
メッシュサイズ
重金属
灰分
乾燥減量 |
粉末
茶褐色または黒
独特
独特
花の先端部分または全草
10:1
エタノール
使用していません
80メッシュ
20ppm以下
3.0%以下
4.0%以下 |
微生物検査
一般生菌数
真菌類
大腸菌
大腸菌群
サルモネラ菌 |
1,000 CFU/g以下
100 CFU/g以下
陰性
陰性
陰性 |
保管方法
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冷暗所にて、凍結・直射日光を避けて下さい |
FAQ |
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- セイヨウオトギリソウは薬ですか?
セイヨウオトギリソウは、ヨーロッパ、特にドイツで研究が進められました。その本場ドイツでは、単なる医薬品として認定されているだけではなく、「最も頻繁に処方される抗うつ薬の一つ」としての地位を得ています。具体的には、1997年の全抗うつ処方薬の25%ものシェアを占めたほどです。
一方アメリカでは、これは医薬品としてではなく健康食品として認識されています。これは、アメリカの薬務局に当たるFDAがセイヨウオトギリソウを医薬品として認めていないからです。また日本では、食薬区分の「2−a」に認定されていますので、健康食品として最適であると考えられます。
- セイヨウオトギリソウは安全ですか?
ドイツでは医薬品として処方されていますが、死亡例の報告はありません。
以前、セイヨウオトギリソウを大量に食べた牛に、光感作(光に敏感になる)や肌のアレルギーが起こったとの報告がありました。しかし、これは通常の摂取量の30倍以上食べないと起こりません。
また、医薬品の「プロザック」は、消化器系などに多大な副作用を及ぼすと報告されています。この胃腸の不具合は、「セロトニン」という神経に関連する物質によるものと考えられています。セイヨウオトギリソウに含まれる「ハイペリシン」や化学的に合成される医薬品の「プロザック」はこのセロトニンを増やすので、うつに対して効果があるのですが、この作用が強ければ強いほど、副作用も強くなるそうです。しかし、その効き目が穏やかなため、セイヨウオトギリソウではモニターのうちごく少数の方々に胃腸の不調が確認されたにとどまっています。さらに、これは食後に食べることで改善されるそうです。
- セイヨウオトギリソウと他のサプリメントの組合せは?
セイヨウオトギリソウは、うつ状態を改善する効果を持つハーブです。よって、通常はストレスなどによる気分の落ち込みなどにお使いになられると効果的です。また、不安などによる不眠にも効果があるといえます。
ダイエット時の不安感やイライラなどを沈める効果も期待できますので、ダイエットサプリメントの一つとして考えられても結構です。
基本的に人間は体のどこかに支障があるとき、憂鬱になったりイライラしたりします。このことから、セイヨウオトギリソウは他の処方と最も組み併せやすいハーブの一つであると言えるでしょう。
- 一日に、どの位食べれば効果的ですか?
多くの臨床実験より、総ハイペリシン量で一日に0.2〜1.0mg食べればよいと報告されています。さらに多く摂取すれば効果は高まりますが、副作用などの心配も考えられます。よって当エキス粉末では、250mg程度が効果的です。
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